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 勝山駅に到着した2201形。数分の停車で、すぐに福井行き電車として発車してしまう。

 広大な構内は、京福大野まで路線があった当時の名残であろう。この電車で勝山で下車した乗客は殆どいなかった。ぽつんと、広い構内に佇む単行電車が、いやに小さく見えた。
 重厚なつくりの勝山駅の改札口。昼過ぎだと言うのに余り明るくない事から、この当日の悪天候が分かる。

ホームには発車を待つ電車の姿が見える。昔は、ここが要衝だったのだと言う思いを馳せてみる。

 「そろそろ電車が発車しますよ。乗られませんか?」と言う、老駅員氏の言葉に肯くと、僅か数人の乗客を乗せた電車はゆっくりと福井駅に向かって走って行った。
 勝山市の玄関口、勝山駅。瓦葺の重厚な駅舎がその存在感をアピールしている。

 しかし、実際の勝山市街は、九頭竜川を挟んだ対岸に位置し、勝山市内に用事のある人が電車を使うことは滅多に無いようだ。

 電車の到着を受けた勝山市街行のバスがゆっくりと発車していった。

 広い構内とバスターミナルを併設する勝山駅は越前本線のどんづまりになる。

 殆ど人家も見られない地域だけに、駅周辺は人気が殆ど無い。
 ただ、電車が行った後には静寂が訪れるだけ・・・。

 勝山の一つ手前の駅、比島駅に到着した2101形。この電車も阪神電車の中古。
 道路に併行した線路が、あたかも軌道の雰囲気を醸し出しているが、高床ホームが、鉄道線だということを誇示しているようだ。

 乗降客の無いまま、電車は勝山駅に向けて走って行った。

 人気の殆ど無い比島停留場。驟々と降る雨の中、靄に霞む待合室。何もかもが歴史が止まったかのような風景である。
 モノクロームな風景が、更に寂しさを募らせる。

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