君がいた季節・・・。

#19;「西日本旅客鉄道・・・鉄路の安全を守る」
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 1時間に1本くらいしか来ない普通列車が行くと、美作滝尾駅の委託駅長さんは、このように自転車に乗って一旦帰宅。そしてまた次の各停が来る頃に駅に戻ってくる。それまでは休憩時間。

 

 那岐駅を通過する急行『砂丘』号から投げられたタブレットを引上げに来る駅長さん。ディーゼル音にかき消されるかのような、「コンッ」と言う鈍い音が山間の小駅に響いた。

 

 高野駅を通過する急行『砂丘』号。この通過タブレット授受は、言わば因美線のハイライトシーンでもある。一瞬の油断も許されない緊迫した場面を、いとも簡単にやってのける姿は鉄道員の鉄道員たる所以であろう。

 

 夕刻、那岐駅を発車する智頭行き普通を見送る駅長さん。急行『砂丘』ばかりが話題になった因美線であるが、このような、何気ない風景にも目を止めてみれば、また違った魅力が見つけられるであろう。

 

 そして、それからしばらくして、因美線から急行『砂丘』が消え、タブレットが消え、
 そして駅を守ってこられた駅員さんの姿が消えて行った。

 今も、山間には古びた駅舎が残る。

 

 でも、その駅からは、駅員さんの声は聞こえない。

 タブレットの醸し出す、あの独特の音も、今はもう想い出・・・。

 

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