
このページでは、札幌市交通局軌道線の車両を紹介します。
1961(昭和36)年、日本車輌製。在籍は1両。当初より一形式1両の異端車。元は制御車T1形とコンビを組んで、ラッシュ時に2両、閑散時にはトレーラーを解結し1両で運転できるように設計されたもの。市民から「親子電車」と親しまれたが、1970(昭和45)年のワンマン改造時に連結器を撤去し、同時にお役後免となったT1形は廃車となった。「M」の車号はモーター車と言う事を表していた。札幌市交には特殊な車両には形式の頭部にアルファベットをつける慣例があるらしく、連接車は「A」、ディーゼルカーには「D」の頭文字がつけられた。2001年6月、更新工事が完了したが塗装、外観ともに変化は見られない。
M101号
撮影場所 山鼻線 すすきの〜新川通 間
1958(昭和33)年、札幌総合鉄工協同組合製とされている。この札幌総合鉄工協同組合というのは泰和車両と苗穂工業、運輸工業の3社の総称。在籍は4両。1988(昭和63)年から車体の更新が進められた。更新前は330形と同様のスタイルをしており、ベージュとモスグリーンのツートンカラーが札幌の街に映えた。現在は8510形にあわせたグリーン1色となってしまった。
214号
撮影場所 山鼻西線 電車事業所前〜ロープウェー入口 間
1959(昭和34)年、210形の増備車として、同じく札幌総合鉄工協同組合で製造された。仕様は210形と同一で、2両が投入された。1990(平成2)年に実施された車体改修工事により、先に改修工事を受けた210形と同一の車体に改造され、やはり、同一仕様の車両となった。改修工事前は、やはり330形と同様のスタイルをしていた。
221号
撮影場所 山鼻線 石山通〜東屯田通 間
1960(昭和35)年、210形の最終増備車として登場した。投入両数は、過去最高の7両。製造は、前述の2形式と同様の札幌総合鉄工協同組合である。本形式も、210形、220形の改修工事が完了後に更新工事が行われた。1991(平成3)年に242号が、そして初めて、グリーン1色のCIカラーが採用された、1994(平成6)年の248号から毎年、年に2両ずつ更新工事が行われ、241・246号が1996(平成8)年に完了し、全車の更新工事が完了した。現在、札幌市電の主力である。
248号
撮影場所 山鼻西線 中央図書館前〜電車事業所前 間
1961(昭和36)年、500形の代替車として5両が製造された形式。200番台形式にあって、唯一の改造車である。元の500形の電気部品を流用し、車体と台車は新製した。札幌総合鉄工協同組合製とされているが、この年から泰和車両と苗穂工業に藤屋鉄工所が参入している。改造車である事から、他形式より車体が長くなり、全長13mを超えている。定員もそれに伴い増加しており、ラッシュ時にはなくてはならない車両である。本形式も1991(平成3)年より更新工事が行われている。
252号
撮影場所 山鼻線 清修学園前〜山鼻19条 間
1958(昭和33)年、札幌市交にしては珍しい、日立製作所製。210形以降に影響を与えた車両であり、5両が製造された。その後、車体更新工事時に3300形へと改番が行われ、2001年7月に、最後の1両が廃車、形式消滅している。最後まで在籍していた331号は、「ミュンヘン電車」として、姉妹都市・ミュンヘンの市電塗装になっていた。札幌市電初の大型方向幕搭載、ドアエンジン装備など、数々の功績を残した名車である。また、走り装置の性能がよく、乗務員の間でも評判の良い車両であった。
331号
撮影場所 山鼻西線 ロープウェー入口
1998(平成10)年から増備が進められている札幌市電最新形式、330形の改造名義の為、日立製作所製となっているが、実態はアルナ工機製である。330形とは似ても似つかないスタイルをしているが、走り装置はそのままである。8500形に似せて作られたが、正面1枚窓、半流線形の前面スタイルは330形を相当意識しているようだ。在籍数は5両。2001年7月までの増備が進められた。最終的には330形全車が本形式になったことになる。
3303号
撮影場所 1条線 西13丁目〜西15丁目 間
1985(昭和60)年、川崎重工業にて製造された、現代形札幌市電スタイルの元祖。それまでの丸いイメージの車両が一転、角張ったスタイルで登場。札幌市電の新製車としては、前述のM101形以来、24年ぶりであった。札幌市電初の送風機搭載車、VVVFインバーター制御車、カルダン駆動による乗り心地の向上が図られた。逆に、それまでの、ツーマン運転設備が省略され、ワンマン専用車となったなどの、合理工事が見受けられる。在籍数は2両となっている。
8502号
撮影場所 山鼻線 中島公園通〜山鼻館通 間
1987(昭和62)年、8500形が好評だった事から増備された形式。川崎重工業製。車体は8500形に準じている。在籍数は2両。全ての仕様は8500形と同一である。因みに、この形式にも冷房装置は搭載されていない。札幌市交通局の鉄軌道の車両(つまり、地下鉄車両もである)には冷房装置がない事が特徴である。当初は8500形を含めて、冷房車とする計画があったが、使用頻度とそれにかかるコストとを天秤にかけた結果、冷房化は見送られた。
8511号
撮影場所 山鼻西線 西線6条〜西線9条旭山公園通 間
1988(昭和63)年、8500形の最終増備車として登場した。同じく川崎重工業製。在籍は2両。3300形が改造名義である事を踏まえるのであれば、本形式が札幌市電の最後の新製車である。仕様は8500形に準じ、全く瓜二つである。軌道線に良く見られる現象であるが、同一仕様ながら、製造時期の違いで形式を変えると言う事が良く見られる。本形式の登場以降は、在来車の車体改修・更新工事による改造によって行われるようになった。
8521号
撮影場所 山鼻西線 中央図書館前〜電車事業所前 間
1949(昭和24)年、自局工場製の除雪車。降雪時に出動して、早朝、始発電車の発車前に除雪を完了させるのが一般的。4両が在籍し、降雪量の多いときは、終日フル稼働している。1998(平成10)年に、新車を1両導入、雪形10番台として登場し、旧型車が1両廃車されている。旧型車は1969(昭和44)年に鋼体化工事を受け、トラ模様をまとい活躍している。写真は新製車の雪形10番台。シングルアームパンタが特徴的である。旧型車は直接制御・ササラ回転軸はチェーン駆動なのに対し、新型車は間接制御・ササラ回転軸は油圧駆動・ワンハンドルマスコンの採用と大幅な仕様変更がなされている。
雪11号
撮影場所 山鼻線 石山通〜中央図書館前 間
除雪車の事:
雪国にはなくてはならない除雪車。当然、路面電車であっても、軌道敷は積雪が起こり、場合によっては凍結し、脱線の危険性もある。そのため、北海道・北陸に所在する軌道線には、除雪車が少なからず在籍している。
除雪車、と一言でまとめているが、用途はまちまちで、除雪専用車両か除雪装備装着可能車か、と言う点でも異なっている上、雪を除けるのか、或いは踏み固めるのかと言う点の違いもある。
ここ、札幌市電を例にとれば、除雪専用車両が積雪を除けて行く部類に入る。
また、この除雪車は、通称「ササラ電車」と呼ばれ、竹箒を回転軸に取り付け、雪を「掃き出す」ことにより除雪して行く。最新型の雪11号も、基本構造は同じで、線路に対して約45度の角度で取り付けられた回転軸に竹箒が取り付けられ、動輪とは別のモーターにより駆動している。
運用は、降雪量の多い日は、夜明け前から電車事業所前を2両ずつが、時間差を設けて、すすきの・西4丁目方面に向かう。その後、降雪がない場合には、始発列車までに順次入庫して行く。しかし、降雪量が多く、また、日中にも降り続いた場合には、営業列車の合間を縫って、終日走行する事もあるらしい。そのため、4両全てが走行する事になるのだが、その結果、予備車がなくなることになる。雪11号の登場時に雪4号が廃車となったのだが、現場の声は、4両でも足りない、廃車にしないで欲しかった、そうである。しかし、保有台数に制限がある事から、常時4両が最大保有量数となるらしい。
この「ササラ」、一冬使えるかと言うとそうではなく、その時々の積雪状態にも依るが、1ヶ月に1回程度の交換が必須なのだそうだ。それもそのはずで、ササラの回転軸は、約1tの力でレール面に押し付けられ、回転させるとの事。そのため、軌道敷は摩擦で削られ、夏場に順次補修しないといけなくなる。それゆえコストも掛かる為、同様の除雪車を所有する函館市では、最近の除雪はトラックにより行う事が多いとか。1934(昭和9)年に登場した排形はそう言えば更新工事の噂が出ていない。
札幌市でトラックによる除雪を行わない理由に、雪質が違う事が挙げられるそうだ(交通局談)。札幌の雪は非常に重みがあり、積雪した場合、雪の重みでどんどん固められ、氷結してしまうらしい。そのため、トラックによる人海戦術では追いつかないため、ササラ電車はなくてはならない存在なのだそうだ。車両検査は毎年7〜8月にかけて一斉に行われ、10月頃から順次試運転を実施、11月には出動準備が整うそうである。
←参考・富山地方鉄道・加越能鉄道・福井鉄道のページ
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