第六章  『エピローグ・始まりの終り』

 

「ええ!?もう帰れって?」

「はい、書類も溜まってきてますし、妹お嬢様も寂しがっておりますよ。姉お嬢様みたいにまた逃げられても知りませんよ」

「ううう、くそぉ・・・これから、面白いところだったのに。それにまだ口説いて・・・いやいや」

 画面の女性が、呆れたような顔をする。

「また、女性ですか?もう、やめろとは言いませんが、控えられた方がよろしいですよ」

「もうちょっと・・・・・・ダメ?」

「ダメです!!帰ってきてください!今すぐ!早く!機敏に!」

「うへぇ・・・わ、分かった。じゃぁ一つだけ・・・!」

「・・・・・・なんですか?」

 テアが訝しげに、ヴィを見た

 

「どうやら、剣士協会の近くの危険地帯からあのクリーチャーは現れたらしい」

「あんなとこから?何で・・・?」

 ジェイクが問う。

「分からん、いや・・・もしかすると」

「アレに寄せられたのか・・・?」

 イスに腰掛けた男が、息を吐き出す。

「・・・かも知れん」

 

「はうはう〜・・・タダ働きだよ〜」

 アセンブラが、ミサイルの弾頭を買えないといって、目をウルウルとさせている。

「ま、まぁ。また稼げばいいじゃねぇか・・・付き合うぜ」

 グリードが、アセンブラの頭をぽんぽん撫でる。

「俺も・・・手伝ってやる」

「あ、ずるい!私も手伝うわよ」

 アセンブラが、急に表情を変え、「むぃ〜」と鳴きながら

「ありがとうなのだ」

 ピッピッピッ――――

「む?M・S(メールシステム)にメッセージが」

 アセンブラが戦闘服のポケットから、小型の受信機を取り出し操作する。

「ヴィクス・・・なんでアセのアドレスを?ん〜・・・・・・なになに?」

 急にアセンブラの、顔が紅潮する。大急ぎでそのメッセージを削除した。

「だれから?なんて書いてあったの?」

 ジュンが、アセンブラの顔を覗き込む

「し、知らないのだ!」

「教えてよ〜」

 アセンブラにしがみつく

「あわわわ!痛いのだ〜。はなして〜」

「教えるまで、話さないんだから〜」

「ずぇ〜ったい、言わないもん!」

「止めとけよ・・・」

「かなり嫌がってるぞ・・・」

 

「クククク、まさかあれほどとはな。人間を甘く見ていた」

 白い男は、手についた青い血を舐め取る。

「同士を集める方が・・・得策だな」

 

 電源を切り、テアは大きくため息をついた。

「まさか、こんな所で接触(コンタクト)があるなんて・・・」

 そして、意味ありげに空を見る。

「旦那様が隔離都市に行くって言ったときは、ドキドキしたけど。まさか本当に会ってしまうなんて・・・はぁ、変装させておいて良かった」

「でも・・・あら?お嬢様」

 ドアの前に小さな少女が立っていた。不思議な顔をして、こちらを見ている。

「独り言なんか言って、どうしたの?」

 テアは、聞かれていた恥ずかしさを紛らわすために、話題を変えた

「そうそう、旦那様三日後くらいには戻るみたいよ」

 少女の顔がパッと明るくなる

「え?じゃぁ、お仕事終わったの?」

「ええ、終わったわ」

「良かった、またご飯が賑やかになる」

「そうね・・・」

(でも・・・旦那様。二年経ってるとは言え、自分の娘を口説こうとするなんて・・・・・・馬鹿だわ)

 

第一部             

 

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