|
|
| むかし、むかし。あるサイトに《気の早いクリスマスキャロル》と云う物語集が有りました。作者はこのサイトが大気に入りで、沢山のクリスマス向けのお話を集めました。しばらくして、創作活動に夢中だった作者は、このサイトが閉鎖される事に気付きませんでした。突然《気の早いクリスマスキャロル》は無くなり、作者は仰天。しかし「そうだ、又始めれば良いじゃないか。」と《気の早いクリスマスキャロル》は再開する事に成りました。 目出たし、目出たし。準じ修正いたします。最新作今入荷しました!! |
|
気の早いクリスマスキャロル一 冷たい石畳みの路地に、小さな男の子と女の子が立っていました。街は行き交う人々で溢れています。「おやおや寒そうに、坊や達どうしたの、こんな所で。」買物帰りの奥さんが、思わず足を止めました。空からは綿の実のような、ふっくらした雪が落ちてきます。「あら、やだ。人形じゃないの。でも誰がこんな所に置いて行ったのかしら。」お店の小父さんに聞いても分りません。「そうだ、お巡りさんに聞いてみましょう。」奥さんは重たい人形を抱えて、警察署に行きました。ところが警察では、クリスマスで大賑わい。それどころじゃありません。「良いから、持って行きなさい。」奥さんは「そうだ、持って帰ろう。」とぼとぼと、家路を急いで帰る道、大事な荷物を警察に置きわすれてきました。「あら、大事なクリスマスの御買い物。」荷物を受け取り、思わず小さな手を二つ握って、夢中で帰って来ました。外はもう暗い夜道で、お家では旦那様が表に灯りを出して待っていてくれました。「おおい、おまえ。その子供達は、どうしたんだい。」奥さんは思わず握りしめた、二つの温かい手を見つめました。しばらく無言の奥さんは、熱い涙を流して云いました。「かみさま。子供をありがとう。」勿論二人には初めての子供でした。(念の為申しますが、奥さんが人形と本物の子供を間違えて帰った訳ではありません。)こんな話があっても良いよね。 |
楽園 或男が天に召された。その魂はそよ風に吹かれるように、しずしずと天上に昇っていった。遥か高い雲の上に着くと、一面真白で清浄な世界だった。ふと見ると視野の先に立派な門が現れた。呼鈴を鳴らすと「何の用じゃ。」思わず男は(何の用かは知れた事。)と思っていると、間もなく門は開いて、白髪の翁が出て来た。「最近此処へ来る者は少ない。」「それは又何で?」「知って居るじゃろう。オゾン層破壊で住み難くてのう…。」翁は哀しそうな顔をして「皆天上を避けて。他所へ行く様じゃ。下は賑やからしい。」そんな話は嘘に決まっていますが、最後の楽園はとって措きたいもの。環境を守りましょう。 |
「いそがなくちゃ。」 |
|
ねずみ色の空を見上げれば、白い妖精たちが舞いおりてきます。ふと、目を落とすと一面まっ白な雪野原が、こんもりと盛り上がって居ます。小さい方を見ると黒い目が、ぱっちりと開きました。 |
其れは雪の吹雪く寒い夜でした。北国アイスランド島にゼロと云う一匹の狼が居ました。吹雪に閉ざされた日は雪の洞くつで、嵐の過ぎるのを一匹だけでじっと待つのです。 |
「光の国」の正太くんには、お父さんも、お母さんも居ません。 可愛い妹も、弟、優しいお兄ちゃん、お姉ちゃんも居ません。 毎年暮れになると其れはもう、寂しいです。 「ちえっ、クリスマスなんて…。」 そんな或日、園長先生が正太君を呼んで云いました。 「正太くん。もう直ぐクリスマスね。」 正太君は横を向いてプイッ。 「ねえ、正太君、今年のクリスマスには、サンタさんのプレゼントは、何が好いかしら。」「……。」 「欲しいものは無いの?」 「……。」 本当は園長先生は知って居ました。正太君が本当は何が欲しいか。 毎日少しづつ北風が激しく冷たくなり、とうとう今日は雪が降りそうです。 「正太君園長先生が呼んでいるわよ。」 園長室に正太君が行くと、知らない人がにこにこ笑っていました。 「正太君、今日は何の日。」 「クリスマス…。」 「今日はね、サンタさんが正太君に素敵なプレゼントを用意した のよ。」 「……。」 「正太 |
| 気の早いクリスマスキャ
ロル.09 高い高い空の上へ昇ると周りは次第に蒼味を増して、昼間なのにあちらにも、こちらにも星が輝き出すのです。「あっ、流れ星だ。」遠くへ目をやると、五十メートル位の小さな星が見えました。サファイヤの大きな塊でしょうか。星の上に男の子が手を振って居ます。「お〜〜いサファイヤ君元気かね。」男の子はにこりと微笑みました。「あっ、セント・ニクラウス様。ご機嫌よう。今年もお出かけですか。」「明日は愈々イヴじゃからな。」「もう、そんな季節ですね。」「ほら、此れは君への贈り物だよ。」「えっ、誰からだろう。」「ルビー星のルビー姫からじゃ。」「あっ、紅いペンダント。」「お似合いだね。」「ありがとうセント・ニクラウス様。」「元気でな。」 |
気の早いクリスマスキ
ャロル.005 北の国では早々と白い綿帽子が舞い降りて来たロビンは待ち遠しくて仕方が無いのでしょう。「未だかな、はやく来ないかなぁ。ねえ、おとうさん。」何かって、其れはお出かけ。「あ〜。御主人さま。未だかなぁ。」 「はっはっはっはっは。ロビンや、辛抱おし。」「お前もとうとう、そんな年になったんだねぇ。おとうさん。」「だって、ぼくは、初めてなんだよ。クリスマスまで、あと何日?」微笑みながら。「あと一週間ですよ。」「待切れない〜。」「しょうがない子ね。」「でも、大変な事なんですよ。だって世界中の子供達が、私達を待っているのよ。」「そうだ。まあ、早く寝なさい。」外は又時間が止まった様に吹雪いてます。 「ぼく、眠れない。」……………………………外では、ごうっと風が唸ります。「息子は寝たかい。」「 ええ。」……ぼく、赤はな三世。今年からいよいよ現役宜しく。 |
気の早いクリスマスキャロル |
|
《と、此処までは世間に良くある話でして、》 |
気の早いクリスマスキャロル05
東のそらが、やや白んで来るころ、独り疲れ果てて、やって来る人が居た。「どうしました。」「……。」「お連れはどちら様で。」くるりと振り向くと、立派な角を生やした生き物に声をかけた。「ぽち、いや、赤鼻くん。ご苦労だったね。」此れも疲れた足を引きずる様に、「いつもの事です。」「しかしだね。儂が十五年過労で引っ込んで居る内に、世間は随分遣り難くなったもんじゃ。」隣のトナカイが小父さんの肩を労る様に「ま、元気に来年も頑張りましょう。」二人の様子にそれとなく察した私は「ああ、サンタさんね。」「そう。」「暫く来ない内に煙突が減ったね。」「そうそう。」「最近はドアもオートロック」「窓も二重ロック。せちがらいね〜。」「一体どこから入ったらいいんじゃ。」「プレゼントの山じゃ。…」「ま、気を落さず。」「皆さんそんな訳でこのサンタさんと、トナカイさんは本物だと云う訳で、皆さんに今日はお裾分けと云う事です。」皆喜んだのなんの。 |
十歳の少女けいはベッドの中でした。或日けいはお母さんと約束をしました。早く元気になったらピアノを弾かせてくれると。ピアノは、けいの夢でした。「けい。お医者さまですよ。」三日に一度お医者さまのケント先生がやって来ます。「お早う、けい。」「お早う、ケント先生。」「元気かい。ちょっと熱を計ろうね。」その時、けいは「ねえ、先生。私、いつになったらピアノを弾けるの。」「……。そうだね。早く元気になろうね。」「いつもの先生の答えでした。」やがて秋になりました。最近のけいは、独りベッドで祈って居ます。「神様どうか私にピアノを弾かせて下さい。」戸のすきまから、お母さんは、けいの祈りを聞いて居ました。「神様どうかあの子にピアノが弾ける日が来る事をお願いします。」やがて十二月になりました。ある晩けいが寝て居ると、窓から金色の月の光が差し込んできました。「けい、起きなさい。」けいが、驚いて起き上がると、金色の光に包まれた天の使いでした。「あなたは…。」「ピアノの精マイエル。」さあ、こちらへお出で。「ピアノを練習しなくちゃ。」「えっ。良いんですか。本当ですか。」「もちろんですとも。」マイエルはにっこりと微笑んだ。「今夜は『ノクターン』の練習ですよ。さあ。教則本を広げて」「でも、私弾いた事無いんでもの。」するとマイエルは「何も覚えてないのね。」いつも貴女は夢の中で弾いているじゃない。けいは、恐る恐る鍵盤に手を近付けると、何とピアノのキーの上を両手の指が踊り出すじゃ有りませんか。「さあ、『ノクターン』の始まり。」さて、けいは夢中で弾きました。ピアノの音色は透明で、七色の色彩を放ち、部屋中に響き渡りました。奥の部屋に寝て居た、けいのお母さんは驚きました。でも何よりも驚いたのは、けい自身でした。あんな夢だったピアノが、しかも大好きな『ノクターン』が、こんな素晴らしい音色で弾けるなんて。いよいよ、最後の章になり、余韻を残しながら、ピアノは鳴り止みました。其の日は十二月二十四日。そう、クリスマスのイヴの晩でした。あんなに幸せそうな、けい。今でも生きているような薔薇色の頬。あ、どこか、聞こえます。クリスマスキャロルが。こんなプレゼントもありました。 |
| 気の早いクリスマスキャロル.その13-01
ある日の午後街の外れにある坂道をお婆ちゃんが、荷車をたいへんそうに、ひいていました。「よいしょ、こらしょ。」「よいしょ、こらしょ。」そこへ通りかかったのは、スノウマンでした。「ねえ、手伝おうか。」するとおお婆ちゃん、スノウマンをじろりと眺め。「いらんよ!」ああ、繊細なハートを持ったスノウマンは、もう、何も言えません。がっくりと両肩を落とし、(30センチ位かな。)とぼとぼ、紅い夕日を背に帰るのでした。ところが…お婆ちゃんは、内心(悪い事を云ったと、痛く反省し)「ご免よ、スノウマン。助けておくれ。」さあ、スノウマンの喜んだの、なんのって。汗水垂らして「えっさかほい。えっさかほい。」ところがスノウマンは何か大切な事を忘れていました。そうです。スノウマンの体は雪、つまりじゃ、成分はH2Oだっったんじゃ。「こりゃ、えらいこっちゃ。」スノウマンは何か、いつもと違うのを感じました。「何だろう。」そして、あしたあり、夕べありき。お休みなさい。 |
気の早いクリスマスキャロル 真っ暗な箱の蓋が開くと外は寒い冬。「うわ〜冷たい。」すると中からこんな声がした。「君は何者かね。」「儂かね、儂は決まって居るじゃろう。こんなに緑で活き活きしとる、樅の木じゃよ。」「ふ〜ん。で、俺は。」「何だい君は自分の事を知らないのかね。」回りには金銀の星や、動物のオーナメント、サンタ人形。坊やの玩具が一杯。「君の名は蝋燭だよ。」「ふ〜ん。で何をしたら良いの。」周りのもの達に。「何にも知らないらしい。」「はっはっはっはっは」樅の木はとても可笑しそうに笑った。「何もしなくて良いのさ。」「ふ〜ん。」兵隊人形が云った。「後で分かるよ。」赤いクルミ割り人形が悲しそうに云いました。「貴方はイヴの今夜、火を灯されるのよ。」蛙の人形が云いました。「すると、二時間位で燃え尽きるのさ。」すると蝋燭は真っ白い顔をして、透明な涙をすーっと一筋流しました。「さっき箱から出たばかりなのに二時間位で燃え尽きるのだよ。」むく犬の縫いぐるみが云いました。すると蝋燭は益々青白い顔をして又、すーっと涙を流しました。其の時ばたんとドアが開き、男の子と女の子が入って来ました。「わ〜い。クリスマスだ、イヴだ。」楽しそうな音楽が流れます。お母さんが、おいしそうな料理を並べます。でも独り蝋燭だけは泣いています。「では火を灯してちょうだい。」蝋燭はお父さんの手で火が付けられ、高い高い樅の木のてっぺんに灯されました。「メリークリスマス。」さっきまで泣いて居た蝋燭は部屋中を照らして、輝いています。歌が流れ、祈りの言葉があり、一番大切な日が終わろうとしています。外では、ごうと風が鳴り、時々粉雪が舞い上がります。 |
気の早いクリスマスキャ ロル.15 |
|
南極大陸では、此れからが長い長い冬です。 ペンギンの「サイトウ君」は暗黒の空に輝くオーロラを見つめながら、又あの辛い季節がやって来た事を知りました。「サイトウ君」達ペンギンは、厚い氷に閉ざされる冬に備えて、喰い溜をします。「う〜〜い。少し喰い過ぎたかな。」冬になるともう、海に入って魚を捕らえる事は出来ません。食べ物の無い冬をどうして過ごしたらいいんでしょう。「よし、行こう。」ペンギンの「サイトウ君」は潔く立ち上がりました。矢張り男の子でした。彼等は氷りの大地の反対側目指して歩き始めました。するとペンギンの「山田君」も「田中さん」も「加藤さん」も歩き出しました。「いよいよですな。」「そうですな。」終いに「…。」只、黙々と歩きます。何千羽ものタキシードの群れが、オーロラの下を行列です。しかも、来る日も、来る日も、夜やら、昼やら、判りません。只ペンギンの「サイトウ君」達は約束の地へ向いました。もう、可成り歩いて、腰は引いて、顎も引いて、くたくた。もう歩けません。その時。「あっ。パラダイスだ。」そう、です南極のペンギン達のパラダイスにやって来たんです。「そうれっ。」此処は南極唯一の、冬でも魚の捕れるパラダイス。さて、こちらは南極の魚の「南君」「加賀君」「真田さん」達。慌てたのなんの。「悪鬼のペンギン共がやって来た。」もう、問答無用。争乱の時がやって来ました。到頭腹一杯に満たされたペンギンの「サイトウ君」達は懐かしい妻子の待つ、遠い故郷へ帰路に着くのでありました。良かったねペンギンの「サイトウ君」これからどうするのかって。長い旅路を踏破した「サイトウ君」達は、妻子達に、お腹の魚達を、戻して食べさせるのです。「さあ、喰った、喰った。」と全部腹の中で消化したら、もう、家庭争議の始まりです。因にペンギンさんの世界に、「にーと」さんは居ないそうです。みんながんばろうぜ。 |
秋の夜でした。月が草原を金色に染め上げて居ました。 |
七月のある未明の朝、ジム少年は異常な物音で目覚めた。その時窓から遥か上空より真っ赤な火の玉が落下して来るのが見えた。ドッカーンと云う爆発音と共に真白な閃光が走った。ジム少年はベットから飛び降りると、両親の部屋へ行った。しかし昨夜は特別な日で両親の結婚記念日で、二人は帰らない事になっていた。「ママー。」昨夜の両親との約束を思い出したジム少年は、仕方なく上着を着て外へ出てみた。町外れのジム少年の家からは森が見えた。その森の切れ目の草地に何か大きな物が、墜落した様であった。恐る恐る近づいて見ると、何と二本足で歩く無気味なエイリアンがあちこちを探査していた。思わず目に入ったエイリアンの宇宙服の胸に奇妙な文字が記されていた。シャープな線で『NASA』。
|
|
|
秋の夜でした。月が草原を金色に染め上げて居ました。 |
『正夢』 アニーはさびしがりや、 |
|
|||
|
|